ランドナー的アングル

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乗り物には格好のアングルというものがある。

よく言及されることであるが、
ランドナーのような旅行車には、
傾けて何かに立てかけた際は、その内側、
つまり傾いた側のほうから見ると美しさがより印象的になる、
というような共通感覚がある。

これを否定する人は少なかろう。

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なぜこの向きだと美しく見えるのかは
解析すればそれなりの答えがあるんだろうが、
しかしそういう理屈が美の鑑賞のために必要かというと
そんなことはないであろう。

見りゃわかるんだから(^ ^)。

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音楽における和声の感じ方といっしょで、
別に音楽理論や和声学を知らなくても、
コード進行の妙は感じ取れるのである。

     ●

ランドナーのどこがいいのか、
今日びの自転車に見られないようなものは何なのか、
そういうことも、実際には説明不要であったりする。

直進安定性やワイドレシオ、、
比較的低圧で運用できる太めのWOタイヤの利点等も、
乗ればわかる。

そういうものなのである。

     ●

念のため書いておくが、
ランドナーなら何でもいい、というわけではない。

特に古いマスプロ車などは、
アーチワイヤーが外れたりすると、
反転したブレーキ本体がそのまま車輪に巻き込まれるような
とんでもないカンティブレーキが標準採用だったので、
そういうことをよく知らない方が
オークションなどで買ったりすると危険である。

昔のユーラシアなどが、
フロントキャリア台座をカンティ台座と別に設けていたのは、
フロントキャリアの足が、反転したブレーキを前輪に
巻き込まないようにストッパーの役割を果たす
必要があったためだろう。

後輪にはそういう仕掛けはなかったはずである。

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ついでに記しておくけれど、
カンティブレーキというものは、
特にシューの取り付け調整範囲が広いものを中心に
シューのリムに対する位置関係をよく管理しておかないと、
シューの磨耗等によって、
通常のブレーキ操作を行っていても、
突然シューがスポーク側に入ってしまうことがあり、
これも非常に危険である。

そうなった場合は前輪が突然回転停止となるので、
乗員はまず間違いなく前方に放り出され、
生命に関わる事故となる可能性がある。

雨天走行の際など、一日でもシューは相当に減るので、
リムからシューが外れてしまう場合がある。

ブレーキ本体の構造や
シューの形態や厚みによっても違うはずだが、
カンティブレーキのシューの動線を考えると、
車輪に巻き込みやすい方向になっているということは
考えてみれば納得されるであろう。

なお、当然だが、
調整や点検などされる場合は必ず自己責任で
やってくれたまえ。

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だからもし私がこれからランドナーフレームを
またオーダーするとすれば、
センタープルブレーキを選択することになると思う。

私のフリートのトーエイもセンタープルであるが、
できればこれはアーチが鍛造のものに変えたいと
思っている。

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こういうことを書きたくなるのも、
要するに、なんでもかんでもランドナーがいい
と思っているわけじゃないということなのだ。

はっきり言えば、カンティブレーキという
ブレーキ形式には構造的にかなり大きな問題点があり、
泥詰まりしにくい、太いタイヤに使いやすいというような点を
除けば利点はほとんどないので、
やがては消滅してゆくのではないかと思っている。

     ●

というわけで少々脱線したが、
ランドナーのシルエットは、
古今東西の建築物にも非常によく似合う。

ホリゾンタルフレームが
重力というものに共鳴しており、
地上の建築物もすべからく重力との融和を
図っているからであろう。

     ●

ナマステ。ピース。







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