旅の方向について

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週末の午前中に、
都市近郊の路線で電車旅をする番組があり、
ふらっと駅で降りて、いろんな店に立ち寄る趣向で、
もう何年もずっと続いている。

けっこう面白いので、
点けたテレビでああまたやってるな、とつい見てしまう。

駅からは徒歩なので、
キャスターによっては路地に入ったりもする。

なかなか面白い。
たぶんスタッフも最少の人数でやっているのだろう。
威圧感がほとんどない。

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しかしあるとき、ふと気付いてしまったのだ。

番組の構成は基本的に途中下車からなっている。

予め打ち合わせているのか、
本当に行き当たりばったりなのか知らぬが、
適当に気になった駅で降りて周辺を歩くように作られている。

そこにはまったく違和感がない。

が、なぜか、いつも、電車は「上り方向」で乗っている。

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つまり、番組が進むにつれ、降りる駅は
都心に近付いていくのである。

より郊外的、
あるいは田舎に近いほうから始まって、
大都市の中心部に近いところで終わる。

なぜなのか?

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全走だろうと、輪行だろうと、
われわれシクロツーリストが「旅する」ときは、
多くの場合、都市部から郊外または田舎の方向に向かう。

だってそっちのほうが面白いし、愉しいからね。

雑踏から離れ、田園が目立つようになり、
空気がうまくなり、緑に囲まれるようになってこそ、
自転車の旅は愉しくなる。

もちろん大都市のポタリングだってありなのだから、
いつもそうであるとは限らないが、
だからと言って、三鷹に住んでいる人が
「今日はサイクリングで新宿に行こう」という
ケースはあまりないであろう。

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なぜ、途中下車の旅番組は、
郊外あるいはより非都会的なところから、
都心方向へと向かうのだろうか。

私の推測ではおそらく、
番組の最後を「静かで鄙びた田園または田舎」で
終わらせたくないからであろう。

そういう「世界観」とやらなのであろう。

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われわれはそれと正反対なのだ。

例外的なところもあるが、
たいがいは、都会の雑踏から抜け出したいために、
ペダルを踏み、旅を始めるのである。

センチメントが逆なのだ。

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世の中にある旅番組というのは、
どうしてこう、われわれのような志向のツーリストとは
違うのか、笑っちゃうくらい不思議なのである(^ ^)。

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ナマステ。ピース。