平面バッフル

画像

初めてスピーカーの工作をやってみた。

少し前に友人と話をしていて、
なんでも、2012年8月号のステレオ誌に
10㎝のフルレンジスピーカーが左右セットで
附録についてて、なおかつ価格は3000円ぐらいだというので、
先月、7月中旬頃だったか、早速書店をのぞいてみた。

もはや売り切れかと思っていたら、
ひとつ残っていたので、買ってしまったのだ。

そのうち時間ができたら何か作ってみようと
考えていたところ、たまたま買ってきた、ほとんど端材に
近い構造用合板を眺めているうち、
これを使って平面バッフルを試してみたらどうだ?と
いうことになってしまったのである。

     ●

というわけで、先週一週間、毎日少しずつ作業して
作っちゃったのだ。

オーディオに詳しい方には笑われてしまう内容だという
ことは承知の上だけど、
まあやってみたかったのである。

メインの合板の大きさ自体が300×900ぐらいなので、
縦横非が整数比だということもすでに問題ありだったみたい。

回折のことばかり気にして、
ユニット用の穴を開ける位置はそこそこ考えたのだが、
母材の縦横比まで考えてなかった(^^)。

構造用合板は杉の厚さ12㎜のもの。

脚部は針葉樹の2×4材ね。

合板はそのまま使うとさすがに側面が寂しいので、
ヒノキの幅10㎜のものを貼り付けて化粧した。

脚部は切れ込みを作って、打ち込んだだけ。
共振防止用に、脚部の下面はちょっと工夫してある。

画像に映っているように、
ユニット取り付け部の背面は12㎜厚のラワン合板で補強。

映っておらぬが、ターミナルも設けた。
ターミナルまでの配線は、人から頂戴したありものの
6N単線のスピーカーケーブル。
将来的にワイヤリングを換える場合でも、
最小販売単位の1mで左右をカバーできる長さにしておいた。

塗装はウレタンニス。

ニスが途方もなく好きですからね(^^)。

     ●

通常平面バッフルを作る場合には、
もう少し大きい板を使うようだ。

で、ユニットの位置も中央から少し上下左右に
オフセットした位置にするらしい。

こういうトールボーイ的な作例は少ないもよう。

寸法的にちょっと低域は期待できないね。

     ●

できあがったところで、早速試聴。

音を出した瞬間はギョッとした。

高域の変な成分が鳴ってたからね。
でもすぐに収まった。

ブレークインを兼ねながら、
手持ちのCDをいろいろ聴いてみる。

うちのCDは私のとかみさんのを足してだいたい500枚くらいか。

大半は独奏や室内楽系統のクラシックだけど、
私のはアコースティックなジャズとECM系の現代音楽、
ちょっと旧めのヴォーカルなんかも多い。

ブレークインの途中で若干低域が出てきたけものの、
基本的には低域は明らかに不足。

メインスピーカーのSONY SS-A5からすると全然足りない。
もはや20年以上前のシステムとはいえ、
費用のかからないケーブルチューニングなどは
すでに多少やっておる。

ところが、私の聴感的には、
中高音域は部分的にはSS-A5よりも良いのだ。

楽器としては、クラシックギター、ヴァイオリン、チェンバロなど、
要するに、あまり質量が大きくない木製の楽器が良く鳴る。

解像度はメインスピーカーの中高音域よりもはるかに高いし、
音色に艶があり、チェンバロの金属的なブライトネスと残響音なども
ちゃんと拾っているようだ。

しかし木製の弦楽器でも、チェロはさすがに低域が足りず、ちと無理がある。

クラシックギターは、記譜よりも実音はオクターブ下だから、
この低域の具合ではどうかなと思ったんだけど、そうでもなかった。

トリオ以上の編成だと、どうもまるでダメだ。
低域成分がごく少ないためか
音場のゆったりとした広がりがないし、
楽器自体のスケール感が小さくなってしまう。

低音をあまり使わない木製楽器の独奏なら、悪くない。

箱の中にユニットが入ってないせいか、
明るく開放的に鳴っている印象がある。

もっとも、ユニットの能率は決して高いほうではないので、
ある程度入力しないと、のびのびと鳴る感じには至らないようだ。
小さい音で聞こうとすると、さっぱりである。

そのあたりが、本来、楽器として音量が大きいとは言えない
クラシックギターやチェンバロのリアリティとしてどうかな、
と捉える向きは多いだろう。

ただ私の好みとしては、
「オーディオは原音の忠実な再生」ではなくて、
「Good Reproduction」なので、
実楽器より大きい音で鳴らしてもいいと思っている。

なので、全体としては、私が聞く分には、
生ギター専用のシステムとして存在価値があった。

いちおうハカランダを使ったギターは持っているから、
ギターがどういう音なのかは多少はわかる。

バッフルの格好からして、
こりゃ偏った特性になるだろうと作りながら思ったけど、
果たしてそうであった。

伴奏が生ギター中心でシンプルなら、ヴォーカル系の曲もそこそこ良い。

ウッドベースやドラムスのパンチや馬力感が重要な
ピアノトリオなどは明らかに力不足。

ただフルレンジだから、楽器の定位は良いね。
クラシックギターなど独奏楽器を聴く分には
それも関係ないっちゃないんだけど。

     ●

しかしこのサイズの板一枚でそこそこ鳴るとは、驚いた。
いくらフルレンジとは言え、10㎝ですからな。

箱はどうやら、低域のために必要なわけね。

そうそう、書き忘れていたが、
材料費がきわめて安く抑えられたのも話のネタか。

木材は左右で1000円程度。
ターミナルは特売品で左右で600円以下。
配線はありものだけど、買った場合1500円くらいか。
あとは小物、これも300円くらいね。

ユニットの3000円と足しても、総額7000円に満たないくらいだから、
自分としてはA-OK。

10㎝フルレンジでこれくらい遊べるなら、
そのうちバックロードホーンとか作ってみたくなるね。

製作上のやや難所といえば、
ユニットの取り付けビスの位置が、ユニットの取り付け穴に
かなり接近しちゃう感じなので、
取り付け穴を開削する場合にも充分注意する必要があろう。
もしかしたら、取り付け穴は表示されているデータよりも
若干小さいほうが良いのかもしれない。

上記は、すべて私の個人的な印象なので、
実際に同じようなことを試みられる場合は、
必ず自己責任でお願いする。

     ●

自転車にもそういうところがあるけど、
道楽の世界では、消費者が生産者になる場合だってある。

工作の面白さってのは、
手仕事の喜びであることだけにとどまらず、もしかしたら、
A・トフラーが言っていたような、
パラダイムの変化にも結びつくのかもしれない。

私の平面バッフルなどはごくごく単純な素人細工なのであって、
スピーカー工作の達人の方々の作品とは
まったく異なる水準のものに過ぎないことは重々承知しているものの、
やってみると確かに愉しかったのであった。

こういうのがだんだんエスカレートすると、
楽器を作ってみよう、なんてことになっちゃうのかも(^^)。


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