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zoom RSS EOS 5D with Vario-Sonnar 3.5-4.5/28-70 (2)

<<   作成日時 : 2017/05/29 15:50   >>

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画像

使うまで半信半疑の面があったんだけど、
フルサイズ撮像素子の 5D と ZEISS MFレンズの組み合わせに、
期待以上のものを感じてしまったのであった。

上の作例画像は撮影条件はあまり良くない。
日没間際でコントラストが弱く、
そもそも最初から明快な陰翳がついていない。

それでもまあなんとか作例としてなら見られるのは、
ひとつには「ボケ」が効果的で、
そのために画題が立体的に見えるというのがある。

     ●

ボケというアウトフォーカス的状況を作るには、
被写界深度が浅いことが必要で、
そうなるための条件的なものがいくつかある。

●絞りが開放またはそれに近く開いていること
●広角レンズは被写界深度が深く、望遠レンズは浅い
●同じレンズの撮影範囲の中では、接写側が被写界深度が浅く、
 無限遠側が被写界深度が深い
●撮影される画面面積が小さいほど被写界深度は深くなる

上三つは少しカメラと写真がわかっている人なら皆知っているが、
一番下はわりと意識されてないことが多い。

     ●

銀塩フィルム時代には、画面面積はかなり大きかった。
フルサイズの36×24oが標準で、
ハーフサイズはほぼその半分。

ハーフサイズはそれでもフルサイズよりは被写界深度が
深くなるので、オリンパスペンのような、
固定焦点のカメラも存在することができた。

ところが、最近スマホにほとんど取って変わられた
コンデジは、もっとずっと画面面積が小さい。

被写界深度は相当に深く、
逆に言えば、背景をぼかす写真はかなり撮りにくい。

デジカメがフィルムを追い抜いてからもう10年以上経ってる
と思われるが、その間、デジタル写真の多くは
非常に被写界深度の深い機材や状況で撮られてきた。

だから今見ると、ボケのある写真が新鮮に見えるのだ。

     ●

デジタルSLRの主流は、APS-Cサイズの撮像素子なので、
これもフルサイズよりは小さく、
銀塩時代のレンズは焦点距離が約1.6倍になり、
イメージサークルの周辺は使わないという状況になる。

標準50oが望遠80oぐらいに化けるわけだが、
撮像素子の面積がフルサイズよりひと回り以上小さいから、
被写界深度は、フルサイズで80oのレンズを使ったときよりは
深いのであろう。

     ●

しかしまあ、ボケの有無だけが画像の印象を
決めるわけではない。

写真画像における「立体感」は、ボケによる背景の整理によって
誕生すると考えられがちだけれども、
実は「諧調」もけっこう重要な要素であるらしく、
諧調が豊かな画像は、被写体の3次元的立体感に恵まれる。

これは、円柱や、人体の腕などを考えるとよくわかる。

真正面から光を当てた場合以外は、
必ずその被写体にハイライト部分と逆のアンダー部分が生じるわけで、
ハイライトからアンダーまでの表現諧調が豊富なほど、
立体感が自然に表現される。

つまり写真表現は解像力と別の観点からも評価される。

     ●

銀塩時代には、35oフィルムよりももっと表現幅の多い感材として、
いわゆるブローニーと言われる120フィルムが
コマーシャル・フォトを中心に広く使用されていた。

もっと画面の大きい、4×5や、8×10というシートフィルムもあった。

モノクロ撮影のほうがむしろわかりやすいんだけど、
フィルムが大きくなると、圧倒的に画質は良くなる。

もちろん解像度も上がるし、被写界深度もより浅くなる。

しかしそれ以上に、画面に「潤い」が出てくる。

このあたりは手焼きプリント技術と表裏一体なので、
なかなか難しい面があるのだけれど、
しかし、ブローニーできちんと撮られたモノクロ写真を見たことの
ある人は充分に納得がいくと思う。

     ●

「写真はレンズで決まる」とは、
コンタックス=ヤシカのレンズ群が登場したときの
キャッチフレーズでもあったようだが、
もっとハッキリ言えば、
「写真は撮像デバイスの画面面積で決まる」のである。

画面がでかいほど、粒子が受け持つ表現領域が
大きくなるからだろう。

     ●

それはデジタルでも変わらず、
同じ画素数であっても、単位面積あたりの画素数がむしろ少ないほうが
諧調や感度などの面で有利なはずだ。

小指の爪ほどの撮像素子を1000万画素にするよりも、
フルサイズで500万画素のほうがよっぽどクオリティの高い
デジタル写真が撮れると考えられる。

     ●

銀塩時代が過去のものになるにつれ、
アンセル・アダムズがこだわったような諧調表現も
忘れられようとしているのではないか。

暗室作業を経験したことのないカメラマンもけっこういるに違いない。

     ●

コンタックス=ヤシカのブランドで、ツアイスのMFレンズが
日本市場に登場したとき、しかし、最初から
評価が高かったわけではなかったようだ。

当時は「解像力」がいちばん優先されていたわけで、
ニコンもキヤノンもだいたいそういう設計思想だったようだ。

ツアイスレンズが受け入れられ、評価されるまでは
それなりに時間がかかり、主としてプロの評価によって
次第にファンが増えていったと言われている。

そう言うとなんだが、ネガカラーで撮っていても、
厳密には発色はわからない。
モノクロも、暗室作業を自分でやらないと何がいいのかは
わかりにくい。

つまり、プリントでごまかしようのないカラーリバーサル撮影か、
自分で引伸ばし作業をやるモノクロ撮影によって、
ツアイスレンズの性能が次第に理解されていったのではないか。

モノクロ暗室作業をやった人ならイッパツでわかるだろうけど、
日陰で撮った写真などは、
いちばん硬い3番手の紙を使っても軟調でどうしようもない、
というケースが多々あった。

ところが私がやった暗室作業では、
ツアイスで撮ったモノクロネガフィルムは
ほとんどが標準の1番手で事足り、少し軟調気味でも
2番手で充分ということだったのだ。

これには驚かされた。

人によっては、密着を見ただけで「なんだこのレンズは」
となる場合もあったようだ。

     ●

諧調重視というのは、コントラスト重視とも言い換えられるだろう。

     ●

ま、今日の画像は昔よく使ってたツアイスMFレンズをうれしくて
持ち出してしまったというのがあり、
フルサイズ用ならツアイス以外の今のAFレンズでも、
ほとんどこれと変わらないかそれ以上の描写になると思う。

やっぱり撮像素子が大きいというのは凄いことなのだ。

フィルム時代は、基本的にはこのフルサイズで
皆撮っていたんだからね。

      ●

ナマステ。ピース。アドナイ。










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